2010/09/16

鰄渕(かいらげふち)番楽

今年の夏に僕の地元秋田県・能代市・鰄渕(かいらげふち)で毎年開催されている神楽を撮影してきたので、Youtubeにアップしました。
能代市は広いので、僕も調べるまで、鰄渕、という地名すら聞いたことがありませんでした。
神楽の名前は“鰄渕番楽”といいます。番楽というのは番楽というのは山伏神楽の東北地方の呼び名だそうで、日本海側では番楽、太平洋側では山伏神楽、権現舞と呼ばれるそうです。
何で番楽と呼ばれるようになったのかまだ調べていないのですが、どうやら、秋田県の民俗芸能にだけ番楽という名前をみつけます。もしかしたら他の地域にもあるのかもしれませんが、まだ見ていません。
鰄渕番楽について詳しくはこちら
鰄渕についてはこちら↓
動物地名-ウグイ
魚名は地方によって非常に異なっている。
またその魚名を宛てる漢字、国字の読み方、内容もまちまちであることから、しばしば混乱を生じかねない。
愛知県海部郡弥富町の鯏浦(うぐいうら)はもと魚に成のうぐい浦と記していたのを、江戸時代の役人が鯏浦と誤記して以来、それがそのまま通用するようになったという。(「愛知県海部郡史」)。
鯏は蜊(あさり)の誤用とする辞書がある一方、鯏はあさりを指すが、うぐいとも読むと述べている辞書もある。
鯏浦はかつて木曽川の河口に面していたというし、またハマグリの名所の桑名に近いところから、アサリも採れた漁村ではなかったかと思うが、地名の由来を確かめる術はない。
秋田県能代市の鰄淵(かいらげふち)は桧山川の下流域にあるが、かつては米代川沿いにあり、ウグイがよく集まる川岸であったという古老の言がある。能代市の縄文時代の貝塚からはコイやフナ、サケの骨に混じって、ウグイの骨がたくさん出る。
江戸時代の鰄淵村は、もと田尻村と称していたのを、延宝七年(1679)に、今の地名に改めたという。
ある辞書には、鰄は魚に成の字の誤用とあるから、鰄淵は魚に成のうぐい淵のつもりでつけた地名にちがいない。
能代市に隣接する琴丘町にも鰄淵という地名があるが、そこは三種川の支流である小又川沿いにあり、ウグイがよく集まる淵だという。
鰄淵の地名の由来については別の説もある。このあたりは佐竹藩の重臣であった梅津政景の知行地であり、新田開発を行ったところであるから、良質の田を開いたことを記念して、開良所(かいらじょ)に通じる鰄淵の名を付けたという説である。
鰄淵は庶民ではなく、学識のある者の命名にかかわることはまちがいない。一説として紹介しておく。
鰄は梅花皮とも書き、東南アジア産のカイラギサメの皮で、刀の鞘の装飾に用いる。梅花形の硬い粒状の凸起がある背面中央部の皮を用いる。
南方熊楠によると、紀州田辺にウガという魚がいて、蛇に似て身長く、赤白の横紋があって非常に美しく、尾が三つに分かれ、真ん中の線だけが、数珠のように玉を貫いているという。漁師はこのウガの尾を切って船霊に供える。
ウガは新宮市の三輪崎ではカイラギと呼ばれているが、それがカイラギサメのことであるかはわからない、と熊楠は言っている(「続南方随筆」)。
しかし熊楠の説明を聞くかぎり、ウガはカイラギサメではない。それについては「長邑と宇賀の郷」の項で記してある。
いずれにしろ能代市の鰄淵がカイラギサメと縁のないことは明白である。
岩波新書「続 日本の地名」より

映像は1~10まであるので、全部見ると二時間近くになります。途中に老人会のハーモニカ演奏があったのですが、それは入っていません。地元の近所の人たちだけが三十人くらい集まっているような現場でした。
舞に同じフレーズが何度も登場するので、見ていると覚えてしまいそうです。
いろいろ分析して書きたいのですが、とりいそぎ。(捩子)

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